UmiBo-zuさん
'92 940 GLE-16V
1990,1991に生産されたB234はツインカムエンジンを搭載した貴重な車種
以下、オーナーにご教授頂いた内容を転用
この「B234F」を搭載する車両は、88'〜90'の740GLE-16v、91'92'の940GLE-16vで、5年間しか造られていません。生産数も少なく維持に手間がかかるため、今となっては非常に地味な存在?の「B234F」エンジンですが、B230系エンジンのヘッド換装版ではありません。

FR系4気筒エンジンは、61'に発売された120E(Amazon)の「B18A」エンジンを祖として改良に次ぐ改良の末、'97をもって幕を閉じたFR系4気筒(940Tack/Classic)の「B230FK」エンジンに繋がる系譜が有ります。これに対し「B234F」エンジンは、バイザッハ研究所(ポルシェ)から移籍したエンジニアが中心となり、エンジンブロックから新造した別系譜のエンジンです。

「B234F」エンジンの特徴としては、同形式のデジタルなEgが可変吸気口/可変吸気管長/可変バルブタイミングなどを採用しているのに対して、純粋に従来技術を磨き上げることで高性能側でのバランスを追求したアナログ時代最後のサラブレッドだと思います。
また、バランサーシャフトの採用/エンジンヘッド形状/タイミングベルトの取り回しなど、ポルシェ4気筒との技術的共通点が多く上げられます。

「B234F」エンジンの系列には、マザーエンジンで触媒無し「B234G」、イタリア向け2L/ターボ付きの「B204GT/FT」、幻で終わった2.3L/ターボ付きの「B234GT/FT」が有ります。
この「B234F」エンジンは各種の理由により短命に終わってしまいましたが、「B6304」エンジン以降の新世代モジュラーエンジン開発に当たって果たした役割は大きいと言えます。「B6304」をはじめとするモジュラーエンジンが「B234F」の技術蓄積によって予定よりも早く完成したために、高出力版である「B234FT/GT」は幻に終わり、以降はモジュラーエンジンが主力となったわけです。

92'モデルは出力が強化された「B234FS」エンジン・u桙ニなっており、日本仕様はエステートのみのラインナップとなっています。ECUが91'モデルまでの「ボッシュ」で有るのに対して'92は「ジーメンス」となっており、150PS・20.3kg/mが170PS・23.4kg/mとなっています。また、出力強化に伴いラジエーターが大型化されている他、冷却ファンの電動化/オルタネーター(ボッシュ→日本電装)など補機類の変更もされています。

850シリーズの生産ライン拡張により「B234」エンジンの生産ラインが閉じられる事が判っていながら、最後の1年にもかかわらず改良の手を入れ続けたボルボ社のエンジニアに敬服しています。(今となっては、部品調達の問題は有りますが・・・)

このボルボエンジニアの思いが850のRシリーズに、また幻を追うB234フリークの思いが、http://wwwrsphysse.anu.edu.au/~amh110/16_valve_turbo_volvo.htmとして結実していると言ったら言い過ぎでしょうか?
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